こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
ドローンが手軽に購入できるようになってきました。
しかし、ここ近年、ドローンの法律的な規制や制限等が強まっており、2021年以降もドローンの規制強化が実施予定です。
「では、ふらっと趣味でドローンを飛ばすのは難しいのか?」
そのような疑問が高まっていくのも必然だと思います。
今回のブログ記事では
- ドローンを気軽に飛ばしにくくなっている理由
- 法律的なドローンの各制限
- ドローンを飛ばすにはどうすればいいのか?
この3つを中心に「以前に比べて、趣味でドローンを飛行させるのは厳しくなっていること」を解説していきます。
法律的な側面や世間の冷たい目線、操縦者のモラル低下など多角的な要因があると思います。
趣味で始めようと思うドローンユーザーが疑問に感じること、「ではどうすればいいのか」まで記載していきますね。
このページに書いてあること
「誰にも許可を得ず、ふらっと飛ばすのは難しい?」
質問を頂きましたのでご紹介します。
こんにちは。
ドローン法規について調べていたらこちらのページに
たどり着き、毎日ブログを読み直しながら勉強させていただいてい ます。 検定1級、技能講習も受け、包括申請(DID,30m)も取りま
したが、 結局のところ、誰にも許可を得ず(つまり、飛ばそうかな
~っとフラッと思い)飛ばせるのは、 ①禁止エリアでないところ
②なおかつ、広大な別荘地などの自分の土地上空っていうことになる のでしょうか??しかも目視で。 早川さんのブログを読めば読むほど、厳しいんだなあと理解してき
ました。せっかく買ったMavicAir2なのに萎えてきてしま いました・・・笑 いきな
りすみませんでした。今後も勉強させていただきます。
要点としては2つだと思います。
- 誰にも許可を得ずにふらっとドローンを飛ばせる条件は?
- ドローンを飛ばすのに厳しい理由は?
きっとドローンユーザーの方が、一番疑問に思う個所だと思います。
ご質問者の方は、検定を受け、技能講習も受け、ドローンを飛行させるための準備を整えてきたところでの、「あれ、気軽に飛ばせないの?」という疑問にぶち当たったと思われます。
※「検定」や「技能講習」で、こういった話を講師の方はしなかったのか…という疑問が湧いてきたのですが(笑
ここでは、フラットな目線で法律やモラル、ルールを鑑みて説明していきます。
ドローンを気軽に飛ばしにくくなっている理由
ここ数年で「ドローンに対する規制や禁止事項が増えてきました」。
この1文が確たる結論になってしまうのですが…
- 土地管理者の許可が必要
- 土地管理者によっては禁止している
- 空のルールも厳しくなっている
- 警察に通報リスクが高まっている
ドローンを飛行させる環境としては、年々厳しくなってきており、そのため「気軽にドローンを飛行させる」のが難しくなってきています。
ドローンを飛行させるには、最近の傾向として「土地管理者の許可」が強く求められてきています。
人が集まるような観光地、例えば姫路城にしましょう。
「ドローンで姫路城を撮ってみよー!」といって、無許可でドローンを飛行させるのはOKでしょうか?NGでしょうか?
答えは簡単ですね。
土地管理者の許可を取っていないため、ドローンは飛行できません。
ドローンは土地の管理者によって
- ルールとして禁止
- 条例として違反
としている場所が多くなってきました。
姫上に関しては、当然ながらドローンの飛行を禁止しており、なおかつ、罰金10万円以下としています。
姫路城公式サイト「姫路城上空はドローンの飛行を禁止しています」より
このように土地管理者が「ドローン禁止」と明言している場所もあれば、「迷惑行為を禁止(ドローンを含む)」としている場所が多々あります。
私自身でも最近では「ドローン禁止」の看板を見かけるようになり
- 河川敷でのドローン禁止
- 神社仏閣でのドローン禁止
- 公園でのドローン禁止
- 海辺でのドローン禁止
- 国定公園でドローン禁止
- 湖でドローン禁止
このように、あらゆるところで「ドローン禁止」とされています。
そのため土地管理者に「ドローンはOKなのか?」と確認しなければ、いつの間にか条例違反や罰金と言った処罰を受けることなりかねません。
つまり「土地管理者の許可を得る」これが前提になってきます。これがドローンを気軽に飛ばしにくくなっている大きな理由の1つです。
この前提を覆す「土地管理者の無許可のドローン飛行」というのは、現状は難しくなってきています。
ふらっとドローンを飛ばせる条件は?
誰にも許可を得ず(つまり、飛ばそうかな
~っとフラッと思い)飛ばせるのは、 ①禁止エリアでないところ
②なおかつ、広大な別荘地などの自分の土地上空っていうことになる のでしょうか??しかも目視で。
質問にあった(1)については、きっと航空法による飛行禁止エリア(DID)に該当するのか否かだと思います。
航空法でドローン飛行禁止エリアについて、問答無用で「飛行できない場所」として認知しなければなりません。
さらに、もし仮に「包括申請(DID,30m)も取りま
補助者なしでは操縦者1人でドローンを飛行できません。(この意味が分からない人…いないですよね!?)
今回の質問であったのが「ふらっと思い立って飛ばす」ということなので、操縦者1人だけであり、包括申請を所持していたとしても(1)禁止エリアでは飛行できません。
そして「(2)広大な別荘地などの自分の土地上空」というのが条件になってきます。例えば、自分の家で田んぼを持っていて、そこでしたら無許可でドローンを飛行できますし、誰にも文句は言われません。
ふらっとドローンを無許可で飛ばせる条件というのは
- 航空法の禁止エリア・飛行禁止方法、他法令に違反していないこと
- 自分の土地、もしくは事前に土地の管理者から許可を得た場所
この2つが「思い立ったらドローンを飛行できる条件」になります。
法律的なドローンの各制限は何なのか?
「なんかドローンを飛行させるのは、ややこしいな」
ここまで読んできて、そう思われたかもしれません。
しかし、ドローンを飛ばそうとするドローンユーザーからすると「ラジコンおもちゃみたいなものだよ」と思われがちですが、一般目線からすると「危険だったり、違法だったり」という認識があります。
もし友人と話す機会があるなら「ドローン飛ばすのはどう思う?」と聞いてみてください。今までの経験上、「え、大丈夫なの!?」と返答することが多いです。
つまり「ドローンは一般的に”普通”ではない」のを、まずは深く理解しなければなりません。
その普通ではない理由として、各法律に関わってきているからです。
さらっと紹介すると…
空のルール=航空法(エリア)
重量200g以上のドローンは
- 人口集中地区
- 空港周辺
では航空法で飛行禁止となっています。
空のルール=航空法(飛行方法)
航空法では飛行方法についても禁止事項を設けており、
- 人または物件から30m以上離すこと
- 夜間飛行をしないこと
- 目視飛行をすること
- イベント時には飛行しないこと
- 危険な飛行をしないこと
など、あらゆる禁止事項が課せられています。
最近では国土交通省でも「土地の管理者の承諾を得ていること」という飛行条件が加わってきています。
https://www.drone-enterprise.com/blog/8526
また国土交通省のドローン飛行申請では、趣味での飛行は個別申請のみに限定されています。包括申請はできないこととなっています。
地上のルール=飛行禁止法・民法・道路交通法・条例など
航空法以外にも、直接的にドローンを禁止している法律や、ドローンを飛行することによって危険行為とされて禁止もしくは条例違反とする間接的なケースもあります。
- 小型無人機等飛行禁止法
- 肖像権とプライバシー権の侵害
- 土地の所有権の侵害
- 各自治体・行政の条例違反
- 道路交通法の違反
今回は土地管理者の許可の話ですので、そっちに重きを置くと、公園ではドローン禁止になっていることが多く、また海水浴場といった沿岸部でもドローン禁止になっていることもあります。
「自由に飛ばせないのがイヤだ!」と身勝手な発想ではドローンを扱えない
結局のところ、法律に大きく関わっているのがドローンです。
他人に怪我をさせたり、墜落してクルマを凹ませたりする可能性が大いにあります。ドローンは100%安全ではありませんからね。
「自由に飛ばせないのがイヤだ」
そう思うかもしれませんが、こういったドローンの現状を受け入れる必要があります。文句を言ったとしても、何も変わりませんから。
- 法律を遵守する
- 他人に危害をあたえない・迷惑をかけない
このふたつをベースに、ドローンを楽しむことが、ドローンを扱う上でのファーストステップとなります。
ドローンを飛ばすにはどうすればいいのか?
「じゃあ、どうすればいいだ!」
そのような嘆きが聞こえてきそうですので、「ふらっとドローンを飛ばすには」の視点で書いていきましょう。
前述したとおり、ふらっとドローンを無許可で飛ばせる条件というのは
- 航空法の禁止エリア・飛行禁止方法、他法令に違反していないこと
- 自分の土地、もしくは事前に土地の管理者から許可を得た場所
この2つです。
広い土地を所有しているか否かは、畑を持っている人、山を持っている人に限られるので難しいですね。
それだったら、ドローン練習場といった、公にドローンOKとしている場所で飛行させるのが一番です。
最近では、観光資源を有効活用するために、鳥取県の鳥取砂丘では「事務所に申請をすればドローンOK」としている場所もあります。
徳島県の那賀町では、「日本一ドローンが飛ぶ町」として、ドローンを積極的に推している自治体です。
ドローンマップをつくって「ドローンOK」の観光地を紹介しているのは、かなり珍しく、私個人としても応援したい自治体の1つです。
また、河川敷では愛好家の方々が占用地として借り入れて飛ばしたりするので、ラジコンヘリを含めた愛好家クラブに加入するのも方法の1つですね。
まとめると…
- おおやけにドローンOKの場所で飛行させる
- 愛好家クラブに加入して特定場所で飛行させる
- 畑や山を持っている友人に「いい?」と確認して飛行させる
これがふらっとドローンを飛ばせる場所になります。
ドローンを飛行させる上で…
何度も書いてしまいますが、ドローンを手に持つのなら
- 法律を遵守する
- 他人に危害をあたえない・迷惑をかけない
この2つはしっかりと守っていきたいですね。
年々とドローンが厳しくなってきているのは、
- ドローンによる迷惑行為が多い
- ドローンの違反事件が増加傾向である
- ドローンによる怪我人が出ている
そういった過去のモラルのない方々が作り上げてしまった結果だと考えられます。
これ以上、さらにドローンを飛行するのが難しくならないように、(耳が痛くなる話ですが)一人ひとりが意識しなければなりません。
実際に仕事現場でも「ドローンを勝手に飛ばされて困っています」という施設管理者の声を幾度も聞いている身としては、やはり「ルールや節度を守る」を喚起しなければなりません。
本当に勝手にドローンを飛ばされて困っているところが多いです。
そして2021年以降、ドローンに関わる法改正も進んでいきます。情報をアップデートしつつ、安全にドローンを楽しみたいですね。
あとがき
実際のところ厳しいなぁと思う方が多いかもしれません。
ただ、「ドローンはそういうものです」というのが答えになりますね…。
それを理解した上で、ドローンを扱わなければ、いつか事故を起こしたり、知らぬ間に違反者になっている可能性がありますから。
「決しておもちゃではない」と常々感じています。