こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
「ドローンのバッテリーは、どう捨てればいいのだろう?捨て方が分からない…」
そうお困りの方がいらっしゃるかもしれません。
ドローンのバッテリーはリチウムイオン電池を使用しており、取り扱い方や廃棄の仕方が難しい面があります。
お住まいの自治体によっても処分の対応は様々で「いまいちわからない」のが正直なところではないでしょうか。
今回のブログ記事では…
- バッテリーを廃棄する前に知っておきたい注意事項
- ドローンのバッテリーの簡単な捨て方3ステップ
- バッテリーの寿命の話
の3点を中心に「最的確なドローンのバッテリーの捨て方」を情報シェアします。
ネット上ではあまり情報量が多くなかったため、このブログ記事で参考になってもらえればと思います。
このページに書いてあること
ドローンのバッテリーを捨てるには?簡単に廃棄できる3ステップとは?
ドローンのバッテリー(小型充電式電池)を捨てるには、以下の3ステップで廃棄できます。
- バッテリー充電を放電等の処理をする
- リサイクル協力店をネットで探す
- 最寄りの店舗に持っていく
この3ステップでドローンのバッテリーを捨てることができ、リサイクルにも回せるので環境にもいいですね。
回収にかかる費用は無料です。
「ドローンのバッテリーが劣化していて捨てたい」「もう使用しなくなったから、バッテリーを捨てたい」
そう思っている方は、ぜひリサイクル回収協力店に持っていきましょう。
以下、バッテリー廃棄の注意事項と具体的な3ステップを紹介します。
バッテリーを廃棄する前に知っておきたい注意事項
ドローンのバッテリーはリチウムイオン電池で、実は廃棄に関して社会的な問題になりつつあります。
ゴミ収集車が火事になる事故が増加している
昨今、モバイルバッテリーの普及、小型家電の普及によって、リチウムイオン電池の活用されるシーンが増加しています。
それに伴って、リチウムイオン電池を安易に「燃やすゴミ」「燃やさないゴミ」として自治体のゴミに出してしまい、ゴミ収集車が火事を起こす事故が年々増加傾向にあります。
東京消防庁では、以下のように注意を促しています。
内部に高効率で高出力のリチウムイオン電池を使用しています。リチウムイオン電池は、電解液に燃えやすい物質を使用しているため、火災になると大変危険です。
このモバイルバッテリーに起因する火災が急増しています。
これらの火災には、使用しなくなったモバイルバッテリーを、一般ごみと一緒に捨ててしまい、ごみ清掃車内で押し潰され出火するものがあります。
ゴミ収集車が回収した後、バッテリーに圧力がかかって発火。ゴミと一緒に燃え広がるとのこと。そう考えると怖いですよね…。
バッテリー回収方法は各自治体によって異なる
ゴミ回収は各地方自治体がおこなっており、バッテリー回収のルールはまったく異なります。
一般的なマンガン電池やアルカリ電池は指定のゴミの日に資源回収が行われるのですが、何度も充電して使用できる小型充電式電池の回収はバラバラなんですよね。
例えば東京都渋谷区。
小型充電式電池の取り扱いについて(処分・リサイクル)
小型充電式電池(モバイルバッテリー含む)は、区では収集できません。
使用済電池は、渋谷区内のリサイクル協力店にお持ちください。
渋谷区では一切回収をおこなっていません。
一方、東京都江東区の場合は…
区の集積所に排出する場合
リチウムイオン電池などの小型二次電池(充電式電池)やコイン型電池を集積所に排出する場合は、より安全に処理するため、「燃やさないごみの日」に、乾電池(アルカリ・マンガン・ボタン電池)とともに、小型二次電池(リチウムイオン・ニカド・ニッケル水素)・コイン型電池もひとまとめにしてお出しください。
燃やさないゴミの「電池」として回収してくれます。
ただ、ざっくりと日本全国の充電式電池の捨て方を見て回ると、大多数の自治体は「リサイクル協力店へお持ち込みください」と案内されています。
DJIのバッテリーの説明書には指定のリサイクルボックスに回収と記載がある
今回廃棄するのはDJIのバッテリーです。
メーカーのマニュアルには…
バッテリーの廃棄
完全に放電してから、指定のリサイクルボックスに入れてバッテリーを廃棄してください。通常のゴミ容器にバッテリーを入れないでください。バッテリーの廃棄やリサイクルに関する現地の規制を厳守してください。
上記の説明のように、
- リサイクルボックスへの廃棄
- 通常ゴミに出さない
の2点が記載されています。
では、いったいどうやってリサイクルボックスに廃棄をするかを知りたいですよね。
ドローンのバッテリーを安全に捨てる3ステップ
では具体的に、ドローンのバッテリーを廃棄する方法を紹介します。
step.01 バッテリーの放電等の処理をする
まずはバッテリーを捨てられる状態にします。
DJIのバッテリーマニュアルに記載のあるように放電をおこなって限りなくゼロ%まで減らします。
理由は簡単で充電された状態で廃棄すると、「回収前や回収後に発火する恐れがある」からです。せっかく回収してもらったのに、そのバッテリーが危険を及ぼすのは避けたいですよね。
放電の仕方は、いたってアナログな方法です。DJIのユーザーズマニュアルには…
インテリジェント・フライト・バッテリーの放電方法
低速:インテリジェント・フライト・バッテリーをPhantom4 Pro / Pro+ のバッテリー収納部に装填して電源をオフにします。バッテリー残量が8%以下になるか電源が入らなくなるまで放置します。DJI GO 4 アプリを起動して、バッテリー残量を確認します。
高速:バッテリー残量が8%未満になるか電源が入らなくなるまで屋外でPhantom4 Pro / Pro+を飛行させます。
ドローンにバッテリーを入れて、普通通りに使ってくれ…という話です。
私の場合は、ドローンにバッテリーを装着して、オンのままで使い切りました。
50%スタートで、1時間経過したころに5%前後まで減らせましたね。
そして、バッテリーの接続部にテープを貼って、ショートさせないようにします。
これだけでも回収で受け取った側は、安心してくれます。
step.02 リサイクル回収店舗をネットで探す
小型充電式電池のリサイクル協力店は日本全国に2万店あるようです。
主に電器店・スーパー・自転車店で取り扱っているのですが、所定の店舗のみですのでネットで検索する必要があります。
この回収を取り仕切っているのが「一般社団法人JBRC」で、「資源有効利用促進法」に基づき「小型充電式電池」のリサイクル活動を推進をおこなっています。
『協力店・協力自治体』検索をおこなって、都道府県→市区町村まで簡単に絞り込めます。
大型家電量販店から小規模の電気商店までリサイクル回収協力店として、最寄りの場所を探せます。
例えば、東京都の渋谷区では…
ビックカメラを含めた23件ありますね。
補足:ドローンバッテリーのリサイクルマークをチェックする
バッテリーの回収をおこなうには、リサイクルマークがついているかどうかが重要です。
この写真の通り、バッテリーには矢印が3つの「リサイクルマーク」が表記されています。
リサイクルの対象としてOKです。
補足:本来なら回収対象ではないバッテリーである
少しだけ予備知識として書いておきます。
JBRCは充電式電池のリサイクル活動をおこなっている一般社団法人なのですが、表向きは、団体の会員企業の製品のみの回収となっています。
JBRC回収対象電池は JBRC会員企業製の3種(ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)の小型充電式電池となります。会員企業一覧はコチラから。
残念ながらDJIジャパンは、JBRCの会員企業ではありません。そのため、本来なら回収できないバッテリーです。
ただし、地方自治体ではJBRCのリサイクル協力店で回収を勧めているため、グレーゾーンとして、リサイクルマークがついているバッテリーならOKとしているようです。
step.03 店舗に持っていく
最後のステップです。
処理済みのドローンバッテリーを調べたリサイクル協力店に持っていきます。
私はドローンのバッテリーは若干マニアックなところがあるため、精通していそうな大手家電量販店に持っていきました。
ヨドバシカメラ店舗の総合窓口で「バッテリーのリサイクル回収をお願いしたい」と伝えると、その場でドローンのバッテリーを受け取っていただきました。
念のため現地で確認したことは…
- DJIのドローンバッテリーならどれでも回収する
- 費用はゼロ
この2つです。
所要時間はわずか1分、無事にドローンのバッテリーを廃棄(リサイクル回収)できました。
JBRCリサイクル協力店に持っていけば廃棄できる
まとめです。
ドローンのバッテリーを捨てるには…
- 捨てる前に放電処理をおこなう
- ネットでJBRCの協力店を探す
- 協力店に持っていく
この3つをおこなえば、簡単に廃棄できます。
自分が住んでいる自治体のゴミ処理ページをくまなく読んで…、ネット記事にある塩水処理をして…、というのは必要ありません。
もっとも近道はJBRCリサイクル協力店に持っていくことです。
「ドローンのバッテリーが劣化していて捨てたい」「もう使用しなくなったから、バッテリーを捨てたい」
そう思っていながらも、自宅に保管し続けるのは危険な場合があります。
- ふいにバッテリーに衝撃を与えてしまった
- 夏場で室内が高温になった
場合によっては火災のもとになる可能性があるため、絶対に使用しないのなら廃棄するのをオススメします。
おまけ:廃棄したバッテリーの話
今回、バッテリーを破棄したのは寿命を感じたからです。
Phantom4シリーズ用のバッテリーで充電回数は146回。電圧等は問題なく、飛行自体には問題ありませんでした。
もう少し利用できそうな気配はありましたが…
この写真の通り、若干、バッテリーが膨張気味に。触ってみるとプカプカするイメージです。
充電後や使用後は熱膨張して、機体に干渉しやすくなっていました。
出し入れも若干困難になっている状況だったので、さすがに寿命を感じました。
今までたくさんのバッテリーを使用してきましたが、(使い方や頻度にもよりますが)ざっくりと充電回数が120~150回くらいがバッテリーの寿命に来ているのが大多数でした。
もちろん個体差はあるとは思いますが、ご参考までに。
あとがき
大切に使っているバッテリー、本当に感謝の気持ちで廃棄させていただきました。