簡潔に!ドローンの飛行申請書の必要・不要から申請書作成の手立てまで。

簡潔に!ドローンの飛行申請書の必要・不要から申請書作成の手立てまで。

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

航空法が改正されて、ドローン飛行に規制が入りました。

事故を増やさないために、ルールが必要なのは歓迎なのですが、いかんせん申請方法がカオス過ぎというのが印象強いです。

国土交通省ホームページを見てもPDFばかりで、

  • 何をすればいいのか分からない
  • 何が正解なのかも分からない

というのが大概の人の感想かと思います。

そこで、(自分用というのもありますが…)サックリとキレイにまとめました。

まずは、ドローンの機体で分ける

そもそも全てのドローンが申請が必要ではありません。飛行させたい機体によって、必要・不要を切り分けると話が早いです。

申請が不要なドローン

機体重量が200g未満は申請不要です。

主に1万円以下で販売されているホビー用のドローンは該当しますね。ちなみに200g以下というのは、バッテリーやプロペラ・カメラなどを含めた重量です。

  • 人口集中地区 → 申請不要で飛行できます
  • 空港の周辺  → 申請不要で飛行できます

つまり、どこでも飛行することができます。

ただし注意しないといけないのが

  • 都道府県の条例によって禁止しているエリア(都の公園) → 飛行不可
  • 人の多い公園 → (マナーとして)飛行不可
  • 高圧電線や発電所付近 → (マナーとして)飛行不可
  • 行政・大使館など関係機関 → (別件として書類送検される可能性あり)飛行不可

上記のような場合は、200g未満でも飛行不可です。

というわけで、ここに該当した人は解決!もう他の場所は見なくても大丈夫です。

申請が必要かもしれないドローン

機体重量が200g以上のドローンです。

DJIのPhantomなど中級クラス以上は該当しますね。この重量の場合には、申請が必要だったり不要だったりします。

その切り分けは次の項目で!

どこで飛行させるかで分ける

申請の必要・不要はどこで飛行させたいのか、いつ飛行させたいのかによって大きく変わります。

申請が不要な飛行場所

非人口集中地区は、申請不要で飛行可能です。 ※非人口密集地域については別途調べ方を紹介します

人っ子一人いない場所や住宅が少ない場所の撮影は200g以上のドローンでも申請は不要で飛行できます。主に山奥とかは該当しますね。

ただし、条件によって申請が必要になります。※ここが重要です

  • 人口集中地区 → 申請が必要
  • 150m以上の高さの空域に入る → 申請が必要
  • 人物・物体から30m以内の飛行 → 申請が必要
  • 空港等の周辺(進入表面含む) → 申請が必要
  • 日没後(日中以外) → 申請が必要
  • 目視外の飛行 → 申請が必要
  • 祭礼や縁日など人が集まる上空 → 申請が必要
  • 危険物の輸送 → 申請が必要
  • 物を投下する場合 → 申請が必要

上記に該当する場合には、どんなことでも申請が必要になってきます。

申請が必要な飛行場所

簡単に言うと上記の「申請が必要な場所」の場合は、すべて申請が必要です。

例えば、非人口集中地区でも目視外の飛行をしようとしたら、申請が必要です。

ポイントになる「人口集中地区」を判断する

人口集中地区を調べるには、地理院を見ると一目瞭然です。

  1. 拡大縮小がスムーズ
  2. スマートフォンでも見られる
  3. 無駄なログインなどがない

という3項目で簡単に調べられちゃいます。その調べ方に関しては、こちらのページにて説明しますね。

ここまでのまとめ

基本的には、人口集中地区であるか否かが申請判断のポイントです。

どんな場所で飛行させようとしても、まずは人口集中地区であるかどうかをチェックしておきましょう。

「誰もいない海岸線なら大丈夫だろう」と思っていても、人口集中地区であることは結構あります。

そして覚えておきたいのは、東京都内で飛行させようとする場合、ほぼ人口集中地区に該当するため申請なしの飛行はできません。

飛行する場合には、個人利用でも気難しい申請書を作成して許可を得るか、埼玉や千葉・茨城など遠方に出かけるしかありません。そして千葉県は特に成田空港(24km以内)の進入表面があるのも見落としやすいので気をつけて下さい。

申請方法

ここからは申請方法です。基本的には、国土交通省のサイトにマニュアルがあるため、サンプルとしてよく見るのがスマートな方法です。

申請経路

飛行する場所によって申請経路が異なります。

  • 空港進入表面もしくは上空150m以上の飛行 → 空港管理事務所(制限内であるか確認)
  • 上の項目以外の飛行 → 国土交通省に申請

ドローンで上空150m以上も飛行させることはほとんどないと思いますが、注意すべきは空港の近くですね。

【参考】 空港進入表面の全国マップ / 詳細マップと航空管理事務所の連絡先

申請書類の種類

国土交通省に申請するのは、いくつかの書類作成が必要不可欠です。

  1. 無人航空機の飛行に関する許可・承認申請書
  2. 無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書
  3. 無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書
  4. 飛行の経路の地図
  5. 無人航空機及び操縦装置の仕様が分かる設計図又は写真(※既成品は省略可能)
  6. 無人航空機の運用限界(※既成品は省略可能)
  7. 操縦者の過去の飛行実績又は訓練実績等を記載した資料
  8. 許可等が必要な内容に応じた追加基準への適合性を示した資料
  9. 飛行マニュアル

約9つの書類が必要ですが、いくつかポイントが有ります。

まず、5・6に関してはPhantomのような有名な機体なら書類の省略が出来ます。改造していた場合はNGですけどね。

【参考】 書類の一部を省略できる無人航空機

そして、4と9は都度作り変えが必要です。特に9はボリューム満点です。

申請書類の作り方

上記の9つの書類があって圧倒されてしまいそうですが、各事例ごとに1つにまとまっている参考例があります。

【参考】

例1:人口集中地区上空の飛行、人又は物件から30m以上の距離を確保できない飛行、催し場所上空の飛行
例2:夜間飛行
例3:目視外飛行
例4:農薬散布
例5:飛行経路が特定されない飛行
例6:空港等の周辺の空域、地表または水面から150m以上の高さの空域の飛行

これを集中的に読みましょう。記載例を見れば分かりますが、9つの書類がすべて揃うようになっています。

もちろん飛行内容に応じて、個別に精査しなければなりません。まるパクリはNGですね。

また申請書を作成する上で、絶対に必要なスキルもあります。これがないと審査に通らないので是非一見してください。

⇒参考:国土交通省へのドローン飛行申請で必要なスキルとは?

申請書類の事前確認

自分自身で作成した書類が「申請書案」として、事前チェックしてもらえます。

いきなり申請をするよりも確実に申請を通すために事前チェックしてもらいましょう。メールでサクッと送れるので有り難いですね。

国土交通省 航空局 安全部 運航安全課
無人機許可・承認担当
メールアドレス : hqt-jcab.mujin@ml.mlit.go.jp

申請書類の郵送

上記の事前チェックが完了後に、プリントアウトして申請書を郵送します。

約10営業日が必要とのことですが、申請が混み合っているのでもっと時間がかかりそうです。約1ヶ月かかる場合もあります。

申請を早くするためのポイント

申請を早くするためには、2つのポイントがあります。

  1. 申請書の不備を極力減らす
  2. 飛行エリアを特定する

1番目に関しては、書類やフライトマニュアルの完成度などを最大限まで高めることです。

2番目は「東京都八王子市」という大きな飛行エリア(包括申請)ではなく、「八王子市◯◯町1-1-1にて200mのフライト」というピンポイントなフライトにすることです。

後者に関しては、国土交通省もアナウンスしており、まずは包括申請は審査に通らないため、ピンポイントな申請からスタートしましょう。

あとがき

まだ始まったばかりのルールなので混乱は仕方ないと思います。

しかし制度が複雑すぎると「面倒くさいから、もうやめた!」となってしまいがちです。

できる限り、行政にとっても申請者にとってもスムーズに申請・許可が得られるような仕組みや案内になると嬉しいですね。

最新版は国土交通省のページで確認してくださいね。

ちなみに、申請手続きをして無人飛行機許可の承諾を得ているのですが、一番役立ったのは無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(本文)でした。条件下に応じた申請の記述内容が記載されており、よりルールの理解が進みます。

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