こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
今日のブログは、ドローンとは一切関係ない小話です。
映像に関わる人間として、町中に流れる映像、電車に流れる映像、テレビ・映画に放映される映像など、気にかけて見てしまいます。
(以前に、映画の「13時間 ベンガジの秘密の兵士」について、「ドローンの映像がすごかった!」とブログにしてました)
今回はテレビCM。
トヨタ自動車「アクア」のトキメキが凄すぎて魅了されてしまった話です。
このページに書いてあること
まずは、アクアのCMをご覧ください
もうすでに目にしている方もいらっしゃるかと思いますが、2017年6月から流れているアクアCMをご覧ください。
もう「目が離せない」というのが第一印象でしょうか?
テンポが早く、日本美が瞬時に流れ、まったく先が読めない構成。BGMとの完全なシンクロ。
あまりにも(いい意味で)ぶっ飛んでいるCMなので、通常のCM、例えば小林製薬のブレスケアのあとに続けて、このアクアのCMが入ってきたら刺激は強烈です。
このCMの何がいいと感じたのか?
100人いれば100通りの感じ方があるはずです。
ここから先は私が勝手に思ったこと。見る側の視点と、作る側の視点が混ざっちゃっているのは了承くださいね。
01. CMの中で刺激が強い
コマーシャルは視聴者が見るものではなく、見せられるものです。これはCMにかぎらず、広告全般に言えることだと考えています。
視聴者にとっては「見る」「見ない」の選択ができ、例えばCMが流れたら別チャンネルに切り替える視聴者もいますね。
連続して流れるCMは、「伝える」という要素も大切ですが、まずは「見てもらう」のがスタートラインです。(見てもらわないと、伝わりませんからね)
このアクアのCMは、そう言った意味で視聴者にとって高刺激です。
02. 出足の映像+BGMで心をつかまれる
前述の話にも若干絡みますが、視聴者側は最初の数秒で「見る」「見ない」を判断します。
アクアの出足は何かというと…
- 東京スカイツリーの夕焼け
- 富士山の夕日
- 横浜の夜景
- 東京タワーの空撮
の4カットです。
それぞれの共通点は「日本人の心の象徴」ということ。富士山を見たら「誇れる日本だなぁ」と感じますよね。
つまり、ほぼ大多数の人がプラスイメージを持っていることです。
そのプラスイメージを超早送りにしたタイムラプスで、それぞれを1秒ほどに凝縮。
さらにBGMはディズニーのエレクトリカルパレードテーマ曲。これもまた日本人なら誰もが親しみを持っている曲です。
出足の2~3秒だけで、もう「見る」という選択肢にさせられる構成に、心わしづかみです。
03. 日本らしい映像がテンポよく流れていく
とにかく目が離せません。
竹林、ししおどし、鯉のぼり、5重の塔などなど、BGMに合わせてバシバシと飛び込んできます。
それだけ多量の映像を詰め込んでいるのにも関わらず、目が回らないように色合いの統一性を図っているのも素敵です。(見る側も安心しますしね)
04. 商品(アクア)の存在が薄れない、心に植え付けられるメッセージ性
刺激的でキレイな映像だけでは、このCMは成り立ちません。
商品を売る、もしくはブランドをアピールをしなければ、なんのために高額のCM費を払っているか謎になるだけです。
今回、特にトキメイたのは、視聴し終わったあとの「気持ちよさ」「印象の良さ」、そして「クルマで日本を旅したい」と思わせる求心力です。
アクアのCMでは、言葉による宣伝コピーは2つだけです。
- 日本が誇る低燃費
- 3代目アクアデビュー
たった、この18文字だけです。しかし映像から考えると、もう充分すぎるくらい伝わるコピーです。
これは私が勝手に受け取ったメッセージですが…
- 日本の名所はこれほどたくさんある
- 昼も夜も時間は関係なく
- 遠くに遠くに、日本の楽しいところを見に行こう
そのお供として「日本全国を”低燃費”なアクアで移動しませんか?ほら、楽しいよ。」と心に植え付けられてしまいます。
BGMのエレクトリカルパレードも、どことなく楽しさを助長させますね。
もっと細かいところだと、「小回りがいい」「どの条件でも難なく走れる」というのもメッセージの脇役として存在したかもしれません。
自動車離れと言われている昨今、旅行離れと言われている昨今、時代背景を加味しているのも意味あるCMだと考えられていますね。
「見せる」と「伝える」のバランスがちょうどいい
広告物を「見せる」のは実は大変なことです。だって好き好んでCMを見るわけではないですからね。
そして、好き好んでない状態の視聴者に、商品を伝えるのはさらに至難の業です。
アクアのCMの良さは、見たいと思わせる映像力・構成力が圧倒的で、なおかつ最後まで「嫌われない」ようにしていることです。
よくあるのが「最初は、いいCMだったなぁ~」と思っても、最後に押し売り的な宣伝になってしまうと印象が落ちてしまいがちです。
メッセージを絞る、一貫した構成にする。
これを実現できるからこそ、気持ちよく「伝わる」のです。
映像を作るだけではなく、伝えたいことを気持ちよく視聴者に受け取ってもらう。
今の時代に必要なバランスだと思います。その上で、もう一度↓どうぞ!
あとがき
心を鷲掴みする脚本を作った脚本家、多大な時間がかかったであろう撮影・編集チーム、そしてクライアント(トヨタ自動車)に了承を得たプロデューサー等に敬意を払いたいです。
久しぶりに見入ってしまったCMでした。※ドローンとは関係ないですが(笑